鹿港誕生秘話
「なんでまた1時間半もかけて“肉まん”ごときを食べに?!」
台湾中部の都市「台中」からバスに揺られること一時間。
古いお寺や街並みが今も残る観光地、そこが店名の由来となった[鹿港(ルーガン)]です。
そして、その[鹿港(ルーガン)]には、訪れた人が必ず立ち寄る行列の絶えない肉包(ローパオ)、饅頭(まんとう)の老舗[阿振肉包 振味珍(ゼンウェイゼン)]があります。
私、小林貞郎は十数年前に日本語教師として台湾に赴任しました。ある日、教え子たちから「肉包(ローパオ)を食べに行こう!」と誘われて、出かけることにしました。
「しかし、なんでまた1時間半もかけて“肉まん”ごときを食べに?!」
当然、そう思いました。
しかし行ってみると、それまで食べたことがない美味しい“肉まん”が待っていたのです。
どうしても忘れられなかった[阿振肉包 振味珍(ゼンウェイゼン)]の味
そして帰国し、初めての出会いから10年ほどたった頃、自分で商売をする決意をした私は、感動的なその味が忘れられない”振味珍の肉包”を「日本の皆さんにも食べてもらいたい!」と思いたち、何度も足を運び、ようやく修行の許しを得ることができました。
そして、2年間の修行を終え、東京・世田谷に2003年[鹿港(ルーガン)]を開店することができました。
独自の製法で作られた皮とジューシーな具がマッチした肉包(ローパオ)。
門外不出であったその味を、初めて日本で紹介できる運びとなったのです。